日本までの遠き道程。(これも Sweden ねこ三昧珍道中記・特別編)
明けましておめでとうございます。
11月の終わりからバタバタと続けざまに旅行(出張?)に行ってきました。
帰国してすぐに思わせぶりなことをちょびっとお知らせしてましたけど、その北欧旅行について緊急報告(大袈裟〜)しますね。
書いてみたら、思ったよりいろんなことがあったので(笑)今回は怒濤の長編です。どうぞお茶でも飲みながら読んでやってください。
この旅行、3泊5日という慌ただしさだったのですが、電車での移動が2回しかなかったので、実は意外と楽でした。私たちの旅はいつもとんでもない田舎に出かけるので、とにかく国内移動と、それから出発前のホテル選びや電車/バスのスケジュールチェックがいつも大変なのです。(ホテルについては安くあげようとするせいもありますが)
1泊めは直行便で着いたアムステルダムで、ここで1つ用事を済ませ、夕ご飯もホテルでわりとリッチに美味しく食べ、余裕です。
次の朝のフライトでコペンに向かい、そこから電車でスウェーデンに渡りました。
デンマークに近い港町、ヘルシンボリでは、アムステルダムに続いて冷たい雨が降っていましたが、ホテルはラディソングランドでお部屋は広いし(古いホテルでトイレがつまっちゃったりして、もっといい部屋に替えてもらっちゃったし)なかなかグーです。
時間に少し余裕があったので、冷たい海風が吹くなか街を散策し、お買い物をしたり、海の見えるカフェでお茶を飲んだりしました。
それからブリーダーさん宅に伺って、うれしいねこ三昧タイムです。
至福の数時間の後、ホテルまで送っていただく途中「ストックホルムはドカ雪なんだよ」と教えられて、ぎゃおー、私たちって超ラッキー!と無邪気にコーフンしました。今回はストックホルム抜きのスウェーデン旅行で、ヘルシンボリでも覚悟していた雪に降られずにすんだのですから。そう、まだこの時点では、ラッキーだったのでございます。
翌朝、駅のカフェでお弁当にサンドイッチを作ってもらって、今回の目的であるハンサムボーイ、ナンタイくんを受け取り、ルリルリとのんきに電車でヨーデボリに向かいました。
ヨーデボリでも小さなペットショップを教えてもらってお散歩しました。ホテルのご飯はちょっと(いや、かなり)マズかったけど、ナンタイくんのあまりの可愛さに翌朝の早さも気にならない私たち。
そうです、ねこ連れチェックインの常として、3時間前には空港に来るように言われていたのです。
運命の日(笑)の朝、そういうわけでチャッチャとチェックインを済ませた私たちは、のんびりとロビーで遊んでいました。でも、いつまでたってもボーディングが始まりません。しかたないので開き始めたお土産屋さんをのぞき、今泉さんはここでお土産をいくつか調達しました。
一方、ユーロを残していた私は(スウェーデンクローナはジュース2本買ってほぼ使いきってえばってた)トランジットのアムステルダムで何か買やいいやー、くらいに考えていましたが、これが運命の分かれ道。(笑)
そうでなくてもトランジットの時間が1時間と若干不安だったのに、いくら待っても飛行機に乗せてさえもらえません。カウンターの向こうでは航空会社のお姉さんたちが何やらヤな感じでトランシーバーを使ってやりとりをしています。
まずいよ、これじゃ走らにゃ乗り換えられなくなるじゃん、なんのために3時間も早く来たのさー(いや、それは関係ないけど)と私たちが焦りだした頃、ようやく搭乗が始められました。
小さな飛行機なので、あっという間に待ちくたびれていた乗客全員が飛行機に乗り込んで、さあ出発だ!と思ったのに、飛行機はじぇーんじぇん飛ぶ気配がありません。
なんなんだよ、そりゃちょっと雨降ってて風もあるけど、さほどのことないじゃん、根性出して飛べよ!と腕時計を睨んでイラつく私たち。もっとひどい天候の中を、もっと小さなバスみたいな飛行機でオエオエな状態でフライトした(させられた?)ことだってあります。
あ、でも、昔香港行くときに、成田で飛行機に4時間詰め込まれてたこともあったか、あれは機体不良で整備に時間がかかったんだった、といやーなことを思い出しました。まあ、飛行機に問題があって上空で気づかれてひえーっていうのよりはまだいいか...と考え始めた頃、機長さんののんびりしたアナウンスが入りました。
「どうもみなさんこんにちはー。悪天候のせいでスキポール空港(アムステルダムですね)の滑走路が一部しか使えない状態なんだそうで、まだ離陸できないんですなー、降りるとこがないから。はっはっは。まあ、もうちょっとそのまま待ってください。みんなで天候の回復を祈りましょう。(笑)」ってな感じの。
ぐええええ。
この時点で普通に飛んだとして、乗り換え時間はすでに15分くらい。
焦った私は、そばにいたアテンダントのお姉さんに、これ以上遅れたら乗り換えできなくなるんじゃっ、どーしたらいいのさっ?!とすがりつきましたが、うーん、ごめん、私にもわからないんですよ、飛行機に乗っちゃった以上、とりあえずスキポールまで行かないと、と空しいお返事をいただきました。同じような状態の人たちがいっぱいいるようで、そこここで同様のやりとりが行われています。
しばらくそのままでお待ち下さい状態が続き、もう軽い諦めモードになった頃、今までとはちょっと違うアナウンスが入りました。(それまでにも何度か「やっぱまだだめ〜」アナウンスが入って、乗客の気持ちをそいでいた)
「どうもしばらく飛べそうにないので、特別に20分だけ飛行機から降りていいです。降りたい人は特別なボーディングパスをもらって、必ず20分以内に戻ってきてくださいね。絶対ですよ!」
おおっ!では、その20分でアムスからの乗り継ぎを調整せねば!
一緒に心配してくれたアテンダントのお姉さんの指示に従い、急いで飛行機から降りてドドドッとカウンター窓口に向かって走る私たち。同じように外に出る人たちが10人くらいはいたでしょうか。
こっちじゃなくてあっち、と言われてエクセス・チャージを払った窓口に行くと、数時間前にこやかに対応してくれたおばさまが、私たちを見るなりオニの形相で「なんであなたたちが今ここにいるのっ?! なにしてるのっ?! 早く飛行機に乗りなさーい!!」と怒鳴るではありませんか。
え、だって、20分降りていいって言われて、だから乗り継ぎの調整に来たんだもん、と言うと「んもー、彼らは何やってんのかしら、もう飛行機は飛び立てるのよ、すぐ戻りなさい、乗り継ぎはうちの飛行機同士だし、遅れが1時間までだったらちゃんと保証されるから大丈夫なの!! さあ、急いで、走って走って! 走れ〜!」
うっそー、だって降りていいって言ったもん、こんなプラスチックのボーディングパスまでもらってるもん、ばかばか〜と反論(?)しながらも私たちはおばさまの言いつけどおり走り、再度きっちり手荷物チェックをされ、ひーひー言いながら飛行機に戻りました。
どうやらOKになったというのは本当で、私たちの後に戻って来た数人を待って、ようやく飛び立ちました。
ブツクサ文句を言いながらも「1時間遅れなら大丈夫」という言葉にほっとしていましたが、今度は予定時間を過ぎても飛行機が降りないんです。燃料の心配したくなるくらいに。
雲の上で景色は変わらないのですが、ぽつんと1つ、何か塔のさきっぽのようなものが見えていて、さっきからその回りをぐるぐる回っているような気がするのです。やっぱ降りられないみたい......。もう状況説明のアナウンスすらありません。
時間は刻々と過ぎ、もう1時間どころの遅れではありません。結局3時間近く遅れたんっすよ。(涙)
ようやく着陸し、飛行機を降りる頃には諦めと、いや、でも着陸遅れてるんだし、離陸も遅れてるかもという希望が交錯していました。
が、しかし、ボードを見ると、無情にも成田行きはきっちり時間通り離陸していました。とっくのとんまに。うえーん。
おお、でも、まだ関空行きがあるではないか! 離陸まであとちょびっとしか時間ないけど、乗れるといいね、と気持ちを盛り立てる私たちささやかな希望を踏みつぶすかのように、広い空港を移動してやっとのこと着いたカウンターは恐ろしい混みようでした。ここで帰りのフライトを調整して、再予約しなければならないのですが、もう待った待った。列に並んだときに航空会社のお姉さんと折衝していた人が終わらないうちに、関空行きの飛行機も離陸してしまいました。もう日本への直行便はありません。
いや、私たち人間だけだったら、アムスに1泊して翌日のフライトで帰ってもよかったのです。でも、ナンタイくんが一緒なので、どうしても今日中に帰りたい。
ものすごく待ってようやく私たちの番になったとき、私は力説しました。なんとしてもオランダには泊れない、日本に帰れないならスウェーデンに戻りたいのだと。お宅の国からの帰国だとねこの検疫が180日もあんのよ、それだけは勘弁してほしいんじゃよと。この時私の声はコーフンで普段より半オクターブ上がっていたと思います。(マジでこれだったらヨーデボリでもう1泊した方がよかったと思っていました)
お姉さんは「180日? 私たちの国はそんなにキタナクないわよ」と軽く気分を害しながらも、いろいろ探してくれました。
この頃、今泉さんが「韓国経由ならあるかも」と思いつきました。おおそうじゃ、その手があったか、とカウンターのお姉さんに進言しようとしたとき、お姉さんからも「ソウル経由ならあるけど、それでいい?」と聞かれました。オッケーオッケー、とにかく日本にナンタイくんを無事連れて帰れればオッケー!
じゃあ、もうボーディング始まってるからすぐ行ってね、と途切れることのないお客さばきに疲れたお姉さんに促され、私たちはゲートに急ぎました。
結局アムステルダムにはけっこういたんですけど、お土産なんて買えるわけもありません。じゃあソウルで何か買おうかな、北欧土産に韓国海苔、なんちって、と帰国フライトが取れたことでかるーくハイになっていた私たちでした。
ソウル行きのフライトも、なぜか出発が遅れました。なんで成田行きが ON TIME でこっちが遅れるんじゃい、と思いましたが、もう半日もハラハラ・イライラしっぱなしで疲れていて、寒すぎる飛行機の中、毛布とコートにくるまって、機内食を食べる他はほとんど眠って過ごしました。
ソウル到着間近と思われた頃、オジさんのアテンダントの人が来て私たちのチケットを確認した後、ついてくるように言いました。荷物をまとめてついていくと、そこは飛行機の一番前の広い席。なんか陶器のきれいなお皿にのったチョコレートまであります。ありー、ビジネス?ファースト? いい席に乗ったことがほとんどないからワカンナイけど、これは確実にいい席。(笑)
どうやら、このフライトも遅れていたため、ソウルでの乗り継ぎがヤバイ状態らしく、最初に降ろしてくれるための配慮なのでした。
ちっ、アムスでもこうやってくれてればよかったのにさ(いや、それでも無理だったけど)と思いましたけど、ちょっとカッコいいアテンダントのお兄さんにチョコレートを勧められて、短時間ながら快適に過ごせました。ああ、いつもこんなシートで旅行したい!!
ソウルで最初に降ろされると、韓国人のきれいなお姉さんが私たちとあと2人を待っており(他にもお客さんを待っているお姉さんたちが数人いた)確認をすますと「では乗り継ぎの飛行機に参ります」と言うなりいきなり走り出すではありませんか。
ソウルでお土産? 韓国海苔? 売店も何もかも飛び去る景色でしかありません。
空港の端から端まで、私たちはびっしり走り続けさせられました。
私は自分のミスでピルケースをキャリーバッグに入れてしまっていて、これが手荷物にできなかったため、この日の朝以来薬を飲んでいませんでした。この薬、実は心臓のだったりして。げげ、死ぬぞ、マジで。
何度も先頭を走るランナー、お姉さんに「私は心臓に問題があるの、こんなことできないの、私を殺す気〜?!」と哀願する(いや、最後には怒鳴り散らしていたか(笑))のに、聞いてもらえません。ようやく搭乗ゲートに着いた頃には、ほんとに死にそうでした。
これ、私がもっと深刻な病気を抱えていたらどうする気だったんだろ、カートにでも乗せて運んでくれたらよかったのに、と後で他の空港でそういう場面に遭遇して、改めてすごく思いました。そりゃ私は思いっきり健康体にしか見えないけどさ。今泉さんだって、ナンタイ担いで走ったんだぞ。プンプン。
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初めての韓国訪問(いや通過か)がこんな形で、しかもたった10分あまりとは。
← これが唯一の韓国の証。
飛行機で機内食についてた唐辛子。 |
あんなに走らせたのに、チンタラボーディング手続きしやがって(スミマセン、まだ怒りがとけないため、つい言葉が悪くなっちゃう〜)しかも飛行機は予定のものとは違います。どうも予定のフライトには乗れなかったようなのです。
ゲロゲロ状態で乗った飛行機は何十年かぶり(笑)の ANA で空いており、アテンダントのお姉さんたちは優しくて、ちょっとほっとしました。
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フライトが変わったし、荷物はたぶん明日になるんだろうと諦めて、でもまあ一応待ってみてたら奇跡のようにコンベアに乗っかって回っていた。感動。
← 混乱のあとの見えるラゲージタグ。
いろんなモノが上から貼ってある。 |
朝着くはずだった成田に到着したのは、なんと4時近く。ねこ友だちのまろさんが空港まで遊びに来て下さる予定だったので、うちのオジさんとまろさんに連絡を取ると、まろさんは何とまだ空港にいてくださるというではありませんか。
ようやく会えたまろさんと再会を喜び、私たちはまろさんのお宅におじゃまして、福太郎くん、えりちゃん、コナンくん、それにまろさんちの「こんな息子だったら私もほしい!」と思える優しい坊やにお会いすることができました。お団子とお茶をいただいて、慌ただしく駅まで送っていただいて、ようやく家に帰りました。お気楽ノルであるナンタイくんは、まろさんのお宅ですっかりくつろいでしまって、福太郎くんたちのごはんまで食べてました。(笑)
予定のフライトに乗っていない私たちの動向をつかむため、まろさんと、やはり仲良しのねこ友だち・すおみさんがあちこちに連絡して調べてくださって、うちのオジさんにまで教えてくださったのだそうです。お2人とも、ほんとにほんとにありがとうございました! ねこを愛する人はみないい人だ!!
疲れ切った今泉さんと私が「もうタイトなスケジュールは避けようね」と誓いあったのは言うまでもありません。
でもねえ、このスケジュール、不安がってヨーデボリからもう1本早いフライトにしたいと言った今泉さんに、大丈夫だと請け合って決めた代理店のお姉さんのせいなんですよー。やっぱ、自分たちの判断を信じて通さなきゃですね。これが今回の教訓ですな。(笑)
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