ねこのあな



― 森のねこのたわごと ―


波乱の旅立ち(またまた Sweden ねこ三昧珍道中記 1)

去る3月26日から4月1日まで、またまたまた(笑)スウェーデンまでねこ三昧旅行に行ってきました。今回は Azure Blue のブリーダー、今泉さんと私の気楽な二人旅です。

今泉家の子ねこの成長具合やスウェーデンでのキャットショーのスケジュール、私自身の仕事の締切りをにらみ、格安エアチケットを見つけ、ホテルも早めに予約し、今回こそは万全の出発のはずでした。でも、絶対何かが起こるんですよね、私たちの旅行の前って。
前回はアメリカの同時多発テロで、今回は「やめてちょ〜」という心の叫びも無視したイラク戦争開戦が。前回は「平気じゃない?」とのんびりしていたつれあいも、今回は「やめた方がいいんじゃないのー?」と言い出すくらいでした。「でも、4月中旬からエアチケット値上がりするらしいよ」と『今がお薦め!』インフォメーションもしてくれて、彼の意図は今イチつかめませんでしたが。
そのうち、SARS騒ぎが始まるに至り「出発は母親には内緒にしとこう」と決意しました。私とはぜーんぜん関係ないことにまで反応して大騒ぎするだろうこと必至だからです。
そうです、私たちは「どうする?」「ちょっとヤバいかな?」「やめろって言われた」「私も〜」なんて会話をしつつも、お互い「でもやっぱ絶対行くよね」と思っておりマシタ。だって、今回の旅行は憧れのSASの席が格安で取れたんだもーん!北欧行くならやっぱSASでしょう!

ガーン!!

そんなお気楽な私たちではあるものの、それなりに心配もしていました。
私はねこたちに「お母さんは1週間したら絶対帰ってくるから、忘れないでね」と声をかけて歩きました。(ミルタには特に念を入れて。ほとんど諦めてましたけど)

今泉さんは『もし何かあったら形見分けをどうするか』を半ば本気で心配してました。この場合の「形見」とは、もちろんねこたちのことです。(他の財産はほとんどナイ(笑))
出発間際にそんなことをチャットで話してたら、ねこ友だちのみなさんが「じゃ、私はエンジェルさまとポーにゃんを」「洋くんがいいな」「ゆめちゃんとさっちゃんを是非!」「なら、スーちゃんとリリスちゃまはうちに」と次々名乗り出て、妙な盛り上がりを見せてました。じゃ、私はデュワリンとゆめちゃんとマティスと、あとそれから...と言いかけたところ「今回は一蓮托生だから、形見分け発生時にはやっぱり形見分けする方でしょうが!」と一喝されました。ごもっとも。
とは言え、みなさん心配してくださったようで、「こんなタイミングでほんとに出発するのか?」という至極常識的なメールなどもいただいたようです。行ったんです、ねこに関しては命知らずな私たち。
余談ながら、この『今泉家のねこたちをいかに形見わけ(?)するか』っていうの、ときどき出て盛り上がる(笑)話題なんですよね。どの子にもファンがついてるのでちゃんと希望が分かれたりして、不謹慎だけど面白いんです。おかげさまで、そんな事態に陥らずにすみましたケド。

世界情勢がそんなふうに不安定でも、実は私たちはのんびり構えていました。今回の旅行はかなりゆとりのあるスケジュールで、荷物もほんとに少しでしたから。
雨も上がり、暖かな朝、私たちは緊迫する世界情勢とは全く無関係に、のほほんと数度めのねこ三昧旅行へと出発したのでした。

2003年4月21日

「あの」コペンハーゲン再び。(またまた Sweden ねこ三昧珍道中記 2)

SASがとにかくよかったのは、まずフライトスケジュールでした。出発はお昼頃、到着は午後日のあるうちで、帰国日は朝に着きます。夜明け頃出発する必要もないし、妙に長いトランジットもなしで、とても楽でした。やっぱり北欧行くなら北欧の飛行機会社がいいに決まってます。
出発の日も、いつもよりずっとのんびり出て、それでいて成田ではいつもより余裕がありました。荷物のチェックインも前回ほど厳しくはなく出発ゲートもすぐそば。
更に飛行機に乗ってコーフンしましたね。なんたって、エコノミーなのに全席小さなモニタがついてるではあーりませんか。やーん、好きな映画が観られる〜!(往路2本半、復路2本鑑賞)あっ、それにゲームまである!!(全部一通りやってみた)...で、結局フライト中あまり眠りませんでした。

SASのフライトがこんなに安く取れたのは初めてだったのでキャンペーンでもやってるのかと思っていましたが、スウェーデンで泊めていただいたヘレナちゃんの兄弟ねこのオーナーさんに理由を聞いて納得しました。「SASは高すぎる!」との世論が値下げさせたのだそうでした。なるほど、値下げのために機内食が1種類しかなかったんだー。そうです、毎回エコノミーとは言え「Chicken or beef?」とか「Fish or meat?」と聞かれるのに、今回はみんな同じものでした。
それでも機内食はなかなかおいしかったし、ホカホカのおいしいパンはエコノミーでもおかわりできます。おまけについてた日本食(行きがおむすび、帰りはのり巻き)は冷たくてごはんが固くて今イチでしたケド(笑)。
飛行機で出る日本食って、たいていマズイですよね。冷たくて固いお米だったり、のびて固まったお蕎麦だったり。外国の人に日本食があんなもんだとは絶対思ってほしくないなあって毎回思います。

更にエコノミークラス症候群防止のためか、お水やソフトドリンクの巡回が実に頻繁にありました。今回もお水のボトルを持ち込んだのですが、そちらはほとんど手付かずでした。総じてSASはすごくよかったです。

でも、いつかはファーストクラスで旅行したい!というのが私たちの野望です。いや、ビジネスクラスでもいい。十何時間もエコノミーの狭い席にいるのって、ほんとに苦痛です。
実は、私は一度だけビジネスクラスに乗ったことがあるんです。航空会社の手違いで。(笑)
仕事でパリに行ったとき、帰りのフライトで席がなくてビジネスに入れてもらったんですが、席は広いわごはんは違うわで大感動でした。それに味をしめて、毎回(間違ってビジネスに入れてくれ〜)と密かに念じてるんですけど、さすがにそう何度も起こることじゃありませんね。

こうして、私たちはのんびりと楽しくデンマークのコペンハーゲン空港に着きました。最初に訪ねる予定になっている、さっき出てきたヘレナちゃんの兄弟ねこのオーナーさん、リタさん宅はスウェーデンですが、コペンから電車ですぐのところにあるので、ここから電車に乗り換えです。

この前コペンに降りたときは夜中だったけど、今回は明るい時間で人もたくさん。あの時ひとかたならぬお世話になったホテルインフォメーションのおばさまに是非お礼を言いたいと思いましたが、違う人でした。でもまあ、ここでまたいろいろと教えてもらって電車の切符売り場に行きました。確かにここ、前回は締まってましたし、今回も5時にはきっちり締まりましたから、あの時切符買えなかったのはしかたなかったねーと改めて自己弁護してしまいました。
それから、今夜遊びに行って泊めていただくことになっているリタさんに電話することにしたのですが、ここで今回初の(笑)トラブルが...。こないだもここから電話したのでデンマークの電話の使い方はわかっていて、正しく使っているはずなのに、何度やっても電話機に「だめじゃー」と言われ、コインが戻ってきてしまいます。電車の時間は迫るし、アセる私たち。一体何が悪いの???

2003年6月3日

ヘレオくんちにお泊まり。(またまた Sweden ねこ三昧珍道中記 3)

ええーい、くっそー、スウェーデンのならテレフォン・カード持ってるのに〜と思った瞬間、「そうだ、カードを使えばいいじゃん!」と思いつきました。テレフォン・カードはなくても、クレジット・カードで電話ができます。よっしゃあ、コインで足りなけりゃ、カードでうちのオジさんの口座からいくらでも落としてくれ!(ヒドイ、というか、よく考えたら、いやよく考えなくても共有口座だよ)と、今度はクレジット・カードを使いました。...がしかしダメ。ううーむ、と受話器を握りしめながらボーっと電話の前に貼ってある使い方の中に描かれている国旗の絵を眺めていて、ハタと思いいたりました。私は国際電話をしなきゃならなかったことに。.......ばかものじゃ。
電車ですぐ、ということですっかり忘れていましたが、ここはデンマークだし、リタさんちはスウェーデンでした。だってー、島国生まれだし〜、電車で国境超えないもーんと言い訳しながら、国番号から押し直しです。

なんとかリタさんにも連絡が取れ、電車にもギリギリで乗れました。それほど混んでいるわけではなく、各駅で多くの人が乗ったり降りたりしていましたが、わりと静かでいい感じ...と思ったのもつかの間、途中の駅でガキ、いや子供たちがどっちゃり乗ってきて、大騒ぎになりました。どうやらこの小学生たちは水泳大会か何かの帰りらしく(濡れた水着を振り回す子が何人かいた)、ものすごくハイ。引率の先生らしき人が2人いましたが、もうじぇんじぇん制止することなどなく、そりゃもううるさかったです。ハイになった子供たちが信じられないほどのパワーと騒音を出すことは、万国共通のようです。

リタさんのお宅の近くの駅につく頃には日も暮れ、肌寒くなっていました。小さな寂しい駅で、ちょっぴり不安になる頃、金色のカッコいい車に乗ったリタさんがやってきました。
リタさんは小さな体にはち切れそうな笑顔の元気ですてきな方でした。駅からお宅まではわりと距離があり、曲がりくねった道などもけっこうありましたが、にこやかに私たちとおしゃべりしながらもガンガンぶっ飛ばします。カーブなどで私が助手席で密かに体を硬くしていたら、わからないように緊張していたつもりなのに「私カーレーサーを目指してたくらいのA級ライセンス保持者だから、安心してね」と笑われました。だけど、こっち向いてお話しながらハイスピードでカーブに入るのはやめてほしかったです。(笑)
「リタ」という名前が北欧っぽくなかったので不思議に思っていたら、もともとはポーランドの出身で、ヨーロッパ各国を渡り歩き、その後気に入ったスウェーデンに移住してきたのだそうでした。リタさんの話はとても面白くて、そんな暮らしをしてみたかったなあ、と心から思いました。

トシのせいで眠りこける...「まだ作りかけなのよ」というリタさんのお宅は、住宅地の奥にありました。古い家の土台を利用して、ご家族で作っているのだそうです。白木とすてきな壁紙、テラコッタなどのタイルで作られた母屋の方はほとんどできていて、床暖房のおかげでほっとする暖かさです。
まず、私たちに用意された客用寝室に案内されました。かわいい木製のベッドが一つ(一つ! つまり、今泉さんと私は新婚さんのようにこのベッドで一緒に眠ったわけなのでごじゃります)、足下には大きめのコットンのラグが敷いてあり、小さくて気持ちのいいお部屋でした。実は、あまりにも気持ちよくて、私は床のラグの上でうっかり眠ってしまって笑われたほどです。

シャワーを浴び、蝋燭の灯ったすてきな食卓でお夕飯をいただきました。少し無口な優しい旦那さまと、利発で可愛い小学生の坊やと、それから、ヘレナちゃんの兄弟、ハリーくんも、みんな大歓迎してくださって、すてきな時間を過ごしました。
ハリーくんは、ヘレナちゃんそっくりで、私たちはこっそり勝手に「ヘレオ」と呼んでましたけど(笑)「ヘレオや」と呼んでもちゃんとやってきて、ゴロゴロとお腹を撫でさせてくれました。すごくすごく可愛い子で、早くもホームシックならぬキャットシックになりそうでした。

でも、楽しいお話ばかりではなく、リタさんからはとても悲しいことも聞きました。

2003年6月24日


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