暑い国の熱気に当てられてハイになっていた私たちも、時間通りに空港に帰る、という命題は忘れていませんでした。
バス乗り場のありかがわからなかったので、早めに探すことにしました。バスを降りたときに教えてもらったのですが、二人そろって方向音痴なため、そのときには発見できなかったんですー。
重い荷物を背負って、あちこちフラフラしながら探すと、ようやくそれらしいものが発見できましたが、時刻表がないのです。
そこで、バス乗り場の近くの大きなビルのインフォメーションのお姉さんに聞いてみたところ。
「時刻表なんてありませんよ。空港行きのバスですか? さあ...。確か、20分おきくらいにくるはずですけど」とのアバウトなお答え。
一瞬言葉を失う、ダイヤ通りに乗り物が運行する几帳面な国からの旅行者たちでありました。
来たときにかかった時間から考えて、まだ時間はありましたし、外は蒸し暑く蚊もいっぱいいたので、そのビルの中で遊んで待つことにしました。
ここは外国資本のお店がたくさん入っているようで、何と LOFT までありました。
なんでタイまできて LOFT で買い物?と思いながらも、今泉さんは「ねこの名前を書き取るメモ帳が足りない」とお買い物。また山ほどねこを見て写真を撮らせてもらうつもりなのです。
他のお店ですてきなタイ風のインテリア・グッズなども見かけて物欲をそそられましたが、なにせバーツに換金したお金がちょっとしかなく、更にこの上行きから荷物を増やすこともためらわれたので、買い物はそれだけにとどまりました。
外に出ると、ビルから道路へ向かう広い階段は、座ってバスを待つ人でいっぱいでした。なんというか、階段教室で先生が来るのを待っているか、或いはコロッセアムで競技が始まるのを待っている風情というか。何故か「ローマの休日」を思い出したのですが、それはみな思い思いに飲み物やアイスクリームを食べていたせいでしょうか。自分ながら未だに謎です。
幸い私たちの乗るべきバスはすぐにやってきて、無事空港まで行けました。
待っている間、何台ものバスが発着しましたが、驚いたことにドアは開けたまま。かなりの乗客が乗っているのに、です。それが恐ろしいスピードで混んだ道を縫うように走っていくのです。
そんなこと考えられない国からの旅行者たちが、ひえーとおののいたのは言うまでもありません。
ちなみに、私たちの乗ったバスは乗客も少なく、ドアもちゃんと閉めてありました。高速道路を通るからだと思います。あれは、乗降の激しい路線バスに限ったことなのでしょうか。
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