ねこアパート

1303号室

齋藤 ハルキ・プリン

September 13th, 2001

僕の一大事。

でも、ある日一大事が、、、。
それは何の変哲も無い普通の日でした。
普通の日だというのに、お母さんは仕事に行かないみたいで、いつもより遅めに出かけていきました。
キャリーバッグを抱えてこっそり出て行くのを僕は見てしまいました。
なんであんなもの持っていくのかわかんなかったのですが、遊んでいるうちに眠くなって寝てしまいました。

幼いながらハンターの目!

まだまだ仔猫のハルキです。

寝ていたら「ガチャガチャ」と鍵を開ける音と、ドアを開ける音がしました。
夕方の遅い時間にお母さんは帰ってきたのです。
「お母さんだ!」僕はうれしくなってお母さんに近寄ってスリスリしました。
すると、お母さんはちょっとソワソワしながら、僕を抱き上げていつもの様に優しくなでてくれましたが、その後で僕をいつもあまり使っていない、本のある部屋に入れたのです。
僕はどうしてお母さんがそういうことをするのかまったくわかんなかったので、びっくりしちゃって呆然としていました。

じゃ、ほんとは?

家にきた頃のプリン。
見かけはおしとやかなのですが...

いつもお部屋で遊んでいるときは全部のお部屋のドアを開けっ放しにして走り回れるようにしてくれるのですが、その時はドアも閉めてしまって僕は置き去りにされたのです、、、。
しばらくしたら迎えにきてくれるのだろうと思って待っていたのですが、お母さんはぜんぜん来てくれないし、だんだん寂しくなってきて大きな声でお母さんを呼びました。
「おかーさん!おかーさーーーん!」
そうしたら僕の声が聞こえたのか、お母さんは本の部屋にやってきて僕の大好きな羽のおもちゃで、一緒に遊んでくれました。
、、、。でも、何か変な感じがします。微かですが猫の匂いがするのです。
お母さん、どこかの猫と遊んできたのかなぁ?と思ったところに、僕の耳を疑うような声が聞こえてきたのです。

すっかり大人っぽくなりました。

最近のハルキです。

「ミギャァ!ミギャァァァ!」
僕はびくっとして固まってしまいました。どこから聞こえてくるのだろう、、、
結構近い所から聞こえてきます。
激しい泣き声に僕の胸はドキドキして止まりません。
心臓が口から出てきそうでした。
なんだろう、何かわかんないけど変なことが起きてる気がする、、、
まさか、、、もしかして、、、
その声を聞いたお母さんはまた部屋のドアを閉めて僕を置いて出て行ってしまいました。
僕はなんとなく危機を感じて一生懸命大きな声でお母さんを呼びつづけましたが、しばらくしてもお母さんはきてくれませんでした。
寂しくて鳴き疲れたとこへお母さんがやっと帰ってきてくれました。僕を抱き上げて、優しく話し掛けてくれます。

失礼ね!

最近のプリンです。
相変わらず暴れん坊。

「ハルキの妹、、、プリン、、、仲良く、、、」
なんかお母さんが僕に向かってブツブツ言っていましたが、僕は気が狂いそうで、それどころじゃありませんでした。
だって僕ではない猫のにおいがお母さんからプンプンしていたから!
お母さん、どういうこと?!?!
お母さんはそんな僕の不安も知らずに僕を抱っこして優しくな撫でながらゆっくりと居間に連れて行ってくれました。

居間になんかいる、、、!キャリーバッグの中で動いている、、、
それはちっちゃくって、片方のほっぺがクリーム色をした綺麗な銀の三毛猫でした。
種類は僕と同じみたいでした。相変わらず「ミギャァァ」と泣いています。
くんくんくん、僕はにおいをかいでみました。
赤ちゃんのにおい、、、

.......。

ご対面、そしてストーカー。

それがプリンとの出会いでした。お母さんはその日、遠い遠い南の島からやってきた彼女を迎えに羽田空港まで行っていたのです。
彼女はキャリーバッグを開けてもらうと、一通りぐるっと見回したあと、僕には目もくれないで一目散におもちゃに走っていきました。
「やれやれ、そりゃないだろう、、、僕の家なのに」
僕は正直言ってちょっとむっとしましたが、でもやっぱり気になるので彼女の後をついて回ってみました。
小さいけど、何でもすぐに体当たりしているし、猫パンチ、猫キック、かなり得意な様でした。
「喧嘩強そうだなぁ、、、」僕の第一印象がそれでした。

その喧嘩の様子はまた今度お話することにしましょう。

好き好き〜♪

今ではこんなに仲良しです。


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