302号室
January 14th, 1999
あやののとはずがたり その弐
みなさん、お寒うございますが、お変わりございませんか?
私は寒風吹きすさぶ中、それでも元気にしております。
え、家の中なら暖かいだろうって? ...。
今回はそのお話をさせてくださいませ。
生後間もなくは、娘・ステファニーも可愛く、私どもは仲良く暮らしておりました。でも、それもわずかな間のことでございました。
成長するにしたがって、ステファニーはいかにも娘ねこらしく、わがままな女王様になっていったのでございます。ひかえめな私とは違い、屈託なく明く甘える娘は、家族の皆の寵愛を一身に集めるようになり、私のことを疎んじるようになったのでございます。私と娘の間は険悪なものになりました。
大木家の人々は、娘を可愛がらないひどい母ねこだ、と私を非難いたしましたが、よそ様でもままある話だと聞いております。
そもそも、私どもねこは、本来早々に親離れをし、それぞれが勝手に生きるよう生まれついているのでございます。
もうここにはいられない、と判断した私は、家を出る決意をしたのでございます。
家を出ると申しましても、暖かい家庭で暮らした私には、野良ねこになることなど到底できることではございませんでした。
結局、大木家の回りで暮らし、朝夕ごはんをいただきに上がっているのでございます。
夜になると、娘が外に出てきて、一緒に遊びます。外で遊ぶ分にはかまわないようで、どうもこの辺が「ああ、所詮娘もねこなのだなあ」と、私を寛容にさせるのでございます。
お母さまは、私を「外にいるけど家のねこ」と思ってくださっているようで、外で出会うと「あやのさん」と声をかけてくださいます。うれしくてうれしくて、思わず「お母さま!私は元気ですよ」とお返事をするのです。
私のこんな生き方を、みなさまは如何お思いになりますか。
「お母さま、ごはんをくださいな」
January 14th, 1999
ステファニーでーす! No. 2
こんにちは! 今日は私のお友だちなんかの写真を見てね!
こないだの私の失敗:
お天気が良かったので、ママとお布団を干してたの。
2階のベランダはあったかくて、ついぼーっとしてたらなんと、閉め出されていたのよ。
おっきな声で「助けてー」って叫んだら、ママは気づいてくれたの。
でも、写真なんか撮ってないで助けてよ!
お友だちのみるく:
お隣に住んでる女の子でね、私の2こ下。
よく遊びに来るの、でもって、デッキの上で昼寝なんかしてる。
私も、みるくんちの車庫の上で昼寝するしね。
男の子たちと違って、なわばりとかぜーんぜん気にしないのよ。
あ、あやのさんはね、結構気にするのかもね。世の中にはそういう人もいるのよ。
あやのさんの息子(私の弟)1号:
2軒隣の親戚の家にいるの、そういえば名前は知らなかったけど、この子もよく来るわね。えっ、弟なの? うそー!
これは双子のとっつきにくいほう。彼らってば珍しいと思うけど、おとうさんが親権をとったのよ。今でも問題なく、父と双子の息子たちは一緒に住んでる。私とあやのさんは全然うまくいかないのに、いろんな人(猫だよ!)たちがいるのね。
そろそろこの子たちも大人のオス猫としてデビューするみたい。辛いことがあるかもしれないけど、がんばって!お姉さんは応援してるよ。
私の天敵シャネル:
こいつよ、こいつ。あったま悪そうでしょ。足が短くてしっぽがないの、変なやつ。いのししかと思ったわ。
血統書付だかなんだか知らないけどさ、しょせん犬よ。私のことを見ると、ばたばた追いかけてきて「わんわーん!」とか言うの。そんなときは木に登ってしまうのだ。
どーだ、シャネル!
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