April 6th, 1999
あやののとはずがたり その四 |
お嫁に行ってしまうんですね・・・、淋しいです。もう一緒に暮らせなくなってしまうんですね。今までほんとうにありがとうございました。
私は英子さんに一番感謝しているのでございます。せめてのものはなむけに、なにか私にできることはないかしら? そうだ!
ねこに感謝されたり貢がれたりするのは珍しいことではございませんよね。それから、捕ってきたものを得意げにお見せすることも、よくございますでしょ。
私は今まであまり経験のない「ねずみとり」をしてさしあげようと思いたちました。
毎晩毎晩一匹ずつ捕まえては、英子さんのお部屋に獲物をお届けにあがるのです。
英子さんは、最初の朝は「何だろう」と、首をかしげておいででしたが、何日かたつうち、ありがたいことに私の真心が通じ、「ありがとう、あやのさん」と言ってくださったのでございます。
英子さんは、今でも時々だんなさまやお子さまたちをつれて大木家に帰っていらっしゃいますが、動物のカンとでも申しましょうか、わかるのです、帰っていらっしゃることが。私は外出していても、必ずその時間にはお出迎えをいたします。
子供たちにだっこされるのは少々苦手なのですが、だっこぐらいは仕方がありませんね、英子さんのお子さまなのですから。
帰りがけなど「あやのさん、もらっていこーかなー。」などと、冗談ではございましょうが、うれしいことを言ってくださいます。
英子さんは今、ゴールデンなんとかという大きな犬と暮らしているそうです。大木家のみなさんはシロクマと呼んでいます。
どうぞ私のぶんまでかわいがってやってくださいましね。 |
三姉妹に愛される私。
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