ねこアパート

103号室

なかむら のるた

May 27th, 1999

ノルタの毎日 11 (衝撃の過去編―2)

正直に告白しますが、歌舞伎の隈取りのようなノンタの顔を見て、私はちょっと悩みました。
ブリーダーの今泉さんもそんな私の気持ちに気付いて、「ちょっとコワイ顔なんですけど、すごくいい子です。ゴロゴロで可愛いんですよ。でも、次の子を待っていただいてもかまいません。」と言って下さいました。

「コワイ顔でも性格がとてもいいんでしょう?それが一番大事だよ。それに、ずっと待ってこの子に会えたんだから、これが縁じゃないの?」
つれあいのこの一言で私の心も決まりました。

それからはバタバタと慌ただしくなりました。
ノンタの写真が送られてきて、ファックスで見たよりもずっと可愛いことがわかりました。ただ、私は、その時一緒に送られてきた彼のお母さん(ゆめちゃん:Cattery Azure Blue のサイト、ギャラリーに出てます)が好きで、「こんな子がよかったんだよー」なんてまだ言ってましたけど。

うちにはたびがいるので、できるだけ早くノンタに来てもらった方がいいということになり、その週の日曜日に受け取ることにしました。
東京駅で初めて今泉さんに会って、でもほとんどお話することもなく、奪うようにノンタを受け取り、キャリーバッグに詰めて帰ってきました。
何しろ名古屋あたりから来たのですから、とっとと家に連れて帰ってあげないとかわいそうだと思ったんです。
いまだに、あれは怪しい取引きだったね、と今泉さんと笑います。

(つづく)

ノンタは実は可愛い子だったのだ!

お父さんのおなかにのっかってくつろぐノルタ。
ほんと、来た日から甘えん坊のゴロゴロねこでした。
ねこが自分からだっこされにくるのが夢だったお父さんは
(たびはだっこ嫌い!)泣かんばかりに喜びました。



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