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ノエルがきた! | |
何日かそのホームページを見ていましたが、思い切ってメールを送ると、「まだ、彼女の家族は決まっていない」ということでした。本当のところを白状いたしますと、実は、この時点ではっきり猫を飼うんだという決心はついていなかったのです。でも、「え?、あれ?いいの?」と思うのと反対に猫を飼うという方向に自然に事態は流れていきました。 誰が何をした、というよりも運命の糸がつながっていた・・・という不思議な感じでした。 でも、それは私にとってわくわくするすてきな事態でもありました。 そしてついに、3月10日。 キャッテリーのオーナーさんに託されて、森のねこさんがノエルをつれて我が家にお見えになったのです。 とんとんと話が決まったのと、受け入れの週に娘が体調を崩して、すわ入院かという騒ぎがあったのとが重なり、ノエルを迎える準備は全くといっていいほどできていませんでした。 名前さえ決まっていなかったのです。 しかも、到着時に、たまたまご近所の奥さんがシーズー犬を連れて遊びにきていたため、長旅で疲れているところに生まれて初めて犬という生き物にご対面というおまけまでついていました。 その晩、ノエルは段ボールの仮設トイレで用をたし、来るときに入ってきたキャリーバックをベットに眠る・・・ということになりました。 ああ、ごめんね。ノエル!! |
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(おかあさんの家に来てから―ノエルのお話。) ノエルです。 長いこと乗り物に揺られ、夜になってから新しいおうちに着きました。 バックが開けられ、森のねこさんのやさしい手に替わってぎゅっと私は小さい子の手に持ち上げられ、びっくり。 更に、見たこともない犬という生き物ににおいをかがれたり、ほえられたりしました。 急にいろいろなことが起きて、私の頭の中は真っ白でした。 森のねこさんが、優雅にやさしく、しかしどこかしらほんのり悲しい声で私に「幸せになるのよ。」と言うのを聞いて「ああ、私はここにおいていかれるのね。」と寂しかったです。 それからしばらくして、みんないなくなり、しん、としたリビングをわたしは調べてまわりました。 誰か猫はいないの?桜ママー、リナちゃーん、・・・・・ 誰からも返事はありません。 そんなわたしの様子をここの家のおかあさんがじっと静かに見守っていました。やさしそうに見えましたが、まだ用心して近寄れませんでした。 やがて、部屋のあかりが消えました。 この日、私は生まれて初めて一匹の夜を過ごしました。 翌朝早く、お母さんがリビングに姿を現しました。 朝御飯を貰った私は、いろいろな名前で呼びかけられました。 いくつか考えていた名前を呼んでみたのだと後でおかあさんは言っていました。 その中に「ノエル」という名前がありました。 初めてホームページの写真を見たときに頭の中に聞こえてきた名前なのだそうです。私もその名前は生まれ育ったお家で耳にしていたので、 「どうしてその名前知って居るんですか?」と思わず駆けよってしまいました。 その日の午後、お母さんはソファで本を読んでいました。私は、「なんで知らん顔してるんだろう。」と近寄って声をかけてみました。 すると、「おいで」と優しく声をかけられたのです。 そっと膝に登ってみました。 「やわらかーい。」ここのお母さんって、はっきりいってすっごく太っている人なので、お肉がついた膝の上はクッションがきいてなかなか気持ちよいのです。 ふと、桜ママのおっぱいの感触が懐かしく思い出されて前足でぐいぐいと踏んでみました。優しく撫でられてお母さんの指をくわえてしゃぶっているうちに、昨日からの緊張からの疲れが押し寄せて来たのでしょうコトリとあっけなく私は眠ってしまったのです。 目が覚めてから「あまりにもよく眠っていて、息をしてないんじゃないかと心配した」と、お母さんは言っていました。(つづく) |
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