ねこアパート

102号室

今泉まお

まおの保育日記  (第7回)

February 6th, 2000

寒い毎日ですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
今年はおこたのかわりにあったかいカーペットが出現し、わたしとしては嬉しいかぎりです。
でも、今年はあまり寒くないような気がするのですが、気のせい?それとも地球が温かくなってるの?それとも仔猫がたくさんいるからでしょうか?

さて、初めてあの仔猫に遭った日、その後何が起こったかお話ししなくてはなりませんね。

最初、毛がもこもこな仔猫を見たことなかったもので、見入ってしまったのですが、しばらくするとやはり怖くなってきてしまいました ...。
そんなときはちょっと怒ってみたりしました。

でも仔猫は、いなくなりそうにもありません。

ここは私のおうちではなかったの??と母に訴えてみるもどうしようもなく、私は仔猫のいる小屋にシャー、シャーと威嚇して見せたのでした。

これには母も参ったようで ... というよりその行動は完全に予測されていたようで、すぐさま取り押さえられ?!何か口のなかにほうりこまれました。
わけもわからず飲み込んでしまいましたが、なんとそれはお薬(落着かせる為の)だったのです。

20〜30分もするとふらふらとしてしまい、自分のしてることがわからなくなっていました。
なんだかとっても開放的な気分になったことだけを覚えています。

この時の様子は母に話してもらうことにします ...。

* 母の証言 *
このときのまおは、はっきりってひどかった!
普通精神安定剤を飲ませるとおっとりした感じになる子が多いのですが、まおに与えた量が中途半端だったのでしょう。
なんと、薬が効き始めると遊びはじめ、部屋の中を走りまくり。
さらに、こともあろうか仔猫をケージ越しに殴りまくる始末。
まおは覚えていないようですが、それはそれはひどくって、仔猫はすっかりおびえてしまったのでした。

ということらしいのですが、覚えていませんのでなんとも言えません。

薬がさめたあと、なんとなくこころのもやもやがなくなって、あの仔猫がこのおうちにいることを少しだけ許せた気持ちになっていました。

* 母の注記+反省 *
ここで飲ませたお薬は軽い精神安定剤でした。
しかし、効果があったとは言いがたく、現在わたしは、新しく猫を仲間に加えるときは時間をおってだんだん慣らして行く方法を取っています。
精神安定剤は、その猫自身にあった量を調整するのが大変難しいので、このようなケースに使用するのはあまりお勧めできません。
(第8回)

May 26th, 2000

すっかり温かく(暑く?)なってきましたね。
うちの庭のほうからはかえるの声が聞こえて来たりします。

さてこないだの続きをお話ししましょう。

それからは、毎日、洋(よう)君と名づけられた仔猫と一緒の生活がはじまりました。

一緒にキャリーに入れるようになるまでは2週間くらい時間がかかったかのように記憶していますが、いつしか、洋君とわたしはひとつのキャリーに入って母と毎日通勤するようになっていきました。

わたしは毎日知らないうちに、ちょっととぼけた、どんくさい?!仔猫のやっていることに口を挟まずにいられなくなっていました。

洋君はほんとおっとりしていてちょっと気が小さいところもありましたので、見ていてほって置けなかったというのが本音です。

なにせ、もっと小さいときに階段から落ちたことがあったらしいので驚きます。

高いところにどうやって登ったらよいか、猫じゃらしを捕まえるにはどうしたらよいのかなど、毎日、教えることはたくさんありました。

病院へいけば、わたしの実の母(もちろん猫です)などとも挨拶をしなくてはならないことや、入院の子がいるときは静かにしていなくてはならないことなど、一つ一つ教えたものです。

あっと言うまに数ヶ月がすぎ、洋君はわたしのことをよき友、母親代わりだと思って慕うようになっていました。
でも ... その頃にはなぜだかどんどんどんどん大きくなっていてすっかりわたしより大きくなってしまって、擦り寄ってこられるとよろけてしまうのにはちょっと閉口しましたが ...。

それからは、いろんなところからやっぱり洋君と同じような毛のふわふわの猫たちがやってくるようになりました。
そうして新入りの子の世話をしたり、生まれた赤ちゃんたちの世話をするうち、赤ちゃんたちってかわいいなと思えるようになったんです。

今では、気ままなノルウェージャンのお母さん達の子育てを手伝うのが習慣になってしまったように思います。

あっ、また赤ちゃんの声がしています。
きっとイサベルお母さんが遊びに行ってしまったんじゃないかしら ...。
そろそろ赤ちゃんの所に戻ることにしますね。


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