ねこアパート

1503号室

三上 プーコ

May 24th, 2002

こんにちは。


お誕生日は2月24日、って書いたけど、それはお母さんが決めてくれたの。だって、わたし、憶えてないんだもん。
わたし、迷子だったの。

お母さんとわたしが出会ったのは、お母さんちの隣の空き地でした。
どうしてだったかはもう忘れちゃったけど、わたし、迷子になって、ミャーミャー泣いてました。ひとりぽっちで寂しいし、怖いし、お腹すいてたし、鼻水まで出てきちゃって、どうしていいかわからなかったの。誰だって泣いちゃうでしょう?

お母さんは日本からの留学生で、犬好きでねこアレルギーだから、ねこと暮らすなんて思いもよらなかったのに、そんなわたしを見たら放っておけなくなってしまったんだって。わたしをそっと抱き上げると、お家に連れて帰ってくれたんです。
お母さんに会えてよかった。
もう、寂しくないし、怖くないし、お腹もいっぱいだし、元気になれたもの。
わたし、いっぱいごはん食べて、いっぱい遊んで、いっぱい眠って、どんどん大きくなったよ。

安心してねんねできるの。

お母さんはわたしをお医者さんに連れて行って、悪いところがないか調べてもらいました。そのとき、お医者さんが「この子は2ヶ月になるかならないかだね」って言ったから、この日だよってお誕生日を決めてくれました。自分のお誕生日があるのって、すてきだなあって思います。

わたし、最初の頃、お腹の調子がよくなくて、おならばっかりしちゃったの。それで、お母さんったら「プーコ」って呼んでて、そのまんまプーコになっちゃった。ちょっと恥ずかしいけど、可愛い名前じゃない?って思います。ね、可愛いよね?
「プーコ」って呼ばれたら、ちゃんとお返事できるのよ。

わたしはお母さんが大好きで、お母さんに甘えるのが大好きです。撫でてもらうと、すごく安心して気持ちいいの。お母さんはアレルギーがあるから、くっついてるとちょっと辛いっていうけど、お母さんもわたしと一緒にいるのが大好きなの、知ってるもん。かまってもらえないときは、うんとないてアピールするの。
お母さんと遊ばないときは、ネズミのお人形や犬のお人形と遊びます。得意技は連続キック!
毎日とっても楽しいです。

1年半後には、お母さんと一緒に日本に行く予定です。わたしみたいな子がオーストラリアから日本に行くのって案外簡単なんだそうです。お母さんと一緒にすぐにお家に行けるんだって。
日本ってどんなとこだろう。楽しみだけど、いっぱい時間がかかるって言われて、ちょっとドキドキしてます。それに、お母さんの日本のお家には、バーニーズっておっきな犬の文太君と、文鳥のモモちゃんがいるんだって。
仲良くなれるといいな。

それじゃ、またね。


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